ハムスターに蚊取り線香とノーマットを使用するリスクと安全な使用方法

蚊取り線香と蚊取りノーマットは、私たちの生活には欠かせないグッズです。

蚊取り線香とノーマットを同じくくりで考えるのには理由があります。

では、ハムスターにとって蚊取り線香やノーマットの使用は安全でしょうか？有害でしょうか？

蚊取り線香・ノーマットはどちらが安全か

みなさん蚊取り線香・ノーマットはどちらが安全か考えたことがありますか？

「蚊取り線香は煙で蚊を寄せ付けないんでしょ。ノーマットより蚊取り線香のほうが安全じゃない？」
「いや、煙は身体に良くないよ。」

実は答えは「どちらも同じ」です。

蚊取り線香・ノーマットの有効成分

有効成分：ピレスロイド

昔の蚊取り線香は除虫菊という自然のものを使っていました。
しかし、現在は確実に蚊をしとめられるピレスロイド類 (dl・d-T80-アレスリン)の化学成分が主成分として使われています。
蚊取り線香もマットタイプもノーマットタイプも成分はほぼ同じです。

絶対に使用してはならない人

✔ 魚や爬虫類、昆虫を飼っている人

ピレスロイドは神経毒として作用します。虫や両生類、爬虫類にも影響があるので、それらを飼育している部屋で使用するのは厳禁です。水溶性のものは魚類にも強い殺傷能力を発揮しますので、注意しましょう。

人間や動物に与える影響

ピレスロイドは哺乳類や鳥類に対して毒性は軽いと言われています。
しかし、人間でも新生児や乳児がいる場合は使用するには、換気をするか普段いない部屋で使用するなどの注意が必要なものです。
締め切りの部屋で長時間使用すると身体に害を与えます。

犬や猫に関しては健康被害もちらほら見られ、鳥類に至っては死亡した報告も見られます。直接的なピレスロイドの影響かはわかりませんが、こういった可能性を持った成分であると認識しておいて損はなさそうです。

キンチョーのQ&A
カブトムシやスズムシなど、昆虫を飼育しているお部屋では使用しないで下さい。昆虫以外にも、魚類（熱帯魚や金魚など）、両生類、爬虫類などを飼育しているお部屋でも使用しないで下さい。

ハムスターに与える影響

以上のことを考えると身体が極端に小さいハムスターにはかなり影響が大きいと考えられます。
基本的に安全である見解が多いですが、たばこや塩素と同じで、長期的にみてどうなのかはそれぞれのとらえ方によるでしょう。

キンチョーのQ&A
犬・猫・ハムスター・小鳥などのペットのいるお部屋でもご使用いただけます。
ただし、十分に換気して使用して下さい。

とあります。しかし、別のQ＆Aでは、子どもが舐めてしまった場合に

ピレスロイド系の殺虫成分を使用しているので、体内の酵素により代謝分解され排出されますが、念のため、本剤がピレスロイド系の殺虫剤であることを医師に告げて、診察を受けてください。

とあります。

またアース・ペット株式会社では

アース・ペット株式会社のQ&A
リスやハムスターに使用しても問題ありません。ただし、部屋を長時間閉め切ったままにせず、ときどき換気をしてください。

とあります。

この言葉をどうとらえますか？

ペット用と人間用の違い

✔ 設計を安全なものにしている。
✔ 屋外使用を前提としているものもある。

本体器具をペットに安全な設計にしているようです。犬や猫がいたずらしても安全な設計ということですね。

私は無知なので、ペット用のほうが成分が優しいのだと思っていたらどちらかといえば逆でした。ペット用の蚊取り線香やノーマットは、屋外での使用も考えられて作られているので持続時間の長いものや煙が多く出るものもあります。

危険性を高める使い方

✔ 窓、ドアを締めきった部屋で使用する。
✔ ケージの近くで使用する。
✔ 半日以上継続的に使用する。

締め切った部屋で一晩中スイッチ入れっぱなしだったり、蚊取り線香でこもった部屋で換気をしないなどは絶対にやめましょう。

比較的安全な使用方法

✔ 部屋のドアや窓を開けた状態 (もちろん網戸は閉める) で使用する。
✔ ハムスターがいる部屋ではなく、同じ空間ではない廊下などで使用する。
✔ エアコンをつけている部屋の場合は、1～2時間だけ使用し、あとはスイッチを切る。
✔ ハムスターがいる同じ空間の場合、蚊取り線香はこもるので使わない。
✔ 低刺激・無香料を選ぶ。